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屋根のメンテナンス

よく建物を修繕ないし改修したいという相談を受け、話を聞いてみると、とにかく屋根をどうにかしたいと希望される方が多いわけです。

確かに、屋内の修繕や改修は快適性が増すとか利便性がますといった類ですけど、屋根の防水が機能しなくなってしまっては建物としての存続を脅かすことにもなりかねないわけですから最優先事項で取り組みたいという考えはごもっともなわけです。

 

最近の屋根材に使用されている金属系の屋根は昔の屋根材とは異なり、表面塗装が高い技術を駆使した工場によるオートメーション化による製品であるため、早々は限界点に達することはなく、おそらく新築時でも15年前後でメンテナンスを検討して下さいとか言われるケースが多いと思うのですが、一般的な環境下であればそれを過ぎても防水性機能が決定的に損なわれることはまずありません。

もっとも、個々の具体的条件にもよりますが30年というスパンで考えますとさすがに一切を無視し続けるのは怠惰なような気もします。劣化の度合いが進行していると、さび落としのケレン作業といった工程が付加されることもあり、また塗装そのものの工程が増える場合もあることから工費が増額する傾向にあるので、どこを落としどころにするのかは経済的・時間的負担等を総合的に考慮した駆け引き的判断となります。

 

なお、上記期間は一般的なガルバリウム鋼板と言われる金属屋根を想定しており、ステンレスやフッ素鋼板といったさらにグレードが高い屋根ともなりますと当該年数に相当な数値が加算されるわけであります。当然に単価が標準的な屋根材より高額になるのですが(およそ1.5~2倍)、ここで無理やり100年単位で考えてみますと、前者は4回、後者は1~2回のメンテなんてうまく事が運べば十分に価値は見出せたりするのかと思います。もっとも、ステンレスやフッ素鋼板というのはただ耐久年数が優れているというだけでなく、化学反応を受けやすい地域や積雪地方においてその材質の持つ効用が発揮されたりしますので短絡的に耐久年数及びメンテ頻度だけで推し量れるものではなく、諸々のプレミアムが上乗せされていたりします。

 

他方、昔の一般的な金属屋根はそこまで品質が安定しておらず、本当に上記期間ほどで塗装をしたり何か手を打たないと錆の面積が拡大・深度を増し、防水機能を決定的に損なう事態に直面してしまうことも珍しくありません。

また、随分の旧家ともなりますと、屋根の下地も薄っぺらい木の皮みたいなのが敷かれているだけで、その上はルーフイングと言われる二次的防水シートもない状態ですので(フェルト程度ならある)、よって、下地まで損傷を受けているケースが多く、そうなりますと、屋根材を解体し下地を入れ替えるといった比較的大きな作業が必要になってきます。

前に相談を受けたとある旧家はまさにその状態で、その上、一般的な住宅の2.5倍くらいの規模があり、更には旦那様が高齢になったことから今後自身で屋根の塗装はできないが次の世代に建物を負担なく受け継がせたいという意向もあって、ステンレス屋根を希望されていましたので、それを受けて各業者にお願いした見積額の総額がものすごいものになってしまいました。

色々と検討した結果、解体は業者ではない(元)プロの方たち等にお願いし、廃棄物は鉄くず回収してもらい、塗装が必要な部分は旦那様にしてもらったり、他にも各方面に色々協力していただき、なんだかんだで半分近くの金額で着地できたことがありました。

ただし、これは比較的大掛かりな事例であり、下地まで傷んでいなければ、カバー工法と言って既存の上から新規屋根材を覆いかぶせる方法もあったりすることから、解体費及び廃材費用が省略でき、結果として前記の事例ほど工事的にも予算的にもそれほど大きなものにならずに済みます。

 

屋根の修繕を考えている方は当該建物を将来的にどのくらいの期間にわたって維持またはどのような形で活用していくかを前提に置き、その場合のグレードはどこまでを必要とするかを算出し、(敷地が広いとか)環境が許せばできることは自身でやったり、また第一線から退いた方たちにお願いしたりするといった奇策で予算が抑えられ、高いリワードが期待できるかもしれません。

とにかく色々なアプローチで検討してみると最善と言いますか、満足のいく結果に辿り着ける可能性が高くなるような気がします。

 

話が金属屋根だけになってしまいましたが、スレートやコロニアルと言われる屋根材においてもほぼ同様です。スレートの材質によってはアスベストが含有されているものがあり、その解体及び処分費はかなり高いので、上記カバー工法のメリットが顕著というか、そもそもどこの業者さんもそのような提案をしてくるかとは思います。

瓦屋根はまた全然別物なので、誰かに相談受ける機会があり、ブログにする意欲があったら書きたいと思います。

 

 

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